自己肯定感は大事だな

記憶のごみを少しずつ片付け始めている。記憶の終活?書き始めてみると色々出てくるもんだな

確かに5歳くらいの時だったと思う。

両親と一緒に居間に眠っていたら、急に父親が私の横広がりの鼻をつまみ上げて言った。「もうちょっと、こうだったら良かったのに」。

と母が、「大丈夫。大きくなったら整形してあげる」と言った。

まだ芸能人でも整形している人などほとんどいない時代だ。

私は驚いて鏡台に走っていき、鏡に映る自分の顔をまじまじと見つめた。

私は父母のところに戻ると、両手で握こぶしを作って言った。

「これでええねん!」

そして大きな声でもう一度

「これでええねん!」と言った。

両親がどんな顔で聞いていたのかは思い出にないが、あの時のあの自己肯定感と言ったら! 

しかし、いつしか成長する抑制、人の比較が始まると、自分は他の子よりも大きくすぎて可愛らしくなく、顔もスタイルも賢くない、性格も嫌だと、自己否定の波の下に沈んでそのまま波の下で年を取り、まぶたも下がり、しわも増えて、そろそろプチ整形でもしたほうがいいんだろうか、などと考えたりして。

「これでええねん!」と叫んだ、あの時のあのマグマのように湧き上がった自己肯定感よもう一度。

 

原爆にも耐えた楠