最近はスニーカーばかり履いている。

電車に乗って周りの女性を見ていると、ハイヒールを履いている人をほとんど見かけなくなった。スーツで皮靴を履いている人でも、せいぜい4cmくらいのミドルヒールかローヒールだ。

バブル期は皆、ハイヒールを履いていたし、この巨大な私でさえ5cm以上のヒールを履いていた。しかし、今はほぼ毎日スニーカー生活になった。長年ニューバランスを愛用している。スニーカーにリュックサック、よく伸びるジーンズ。肉体労働者のファッションだな。

ある時、Youtubeでシニアのファッションインフルエンサー(使い方合ってるのか?)が、10cmのピンヒールを履いてポーズしているのを見た時、箸のような棒の上に立っている姿が突然とても奇異に見えた。ファッションモデルが高いヒールで、腰を振りながら歩いている姿は美しいと思うのだけど。

若い時、知り合いが中国ツアーのインストラクターをしていて、ツアーに参加した時、初めて纏足(てんそく)のお婆さんを見て驚いた。

纏足というのは、女性の足は小さいほうが美しいという、昔の中国の美意識で、幼児の時から強制的に足指を内側に折り曲げて固く布を巻いて変形させ、成人しても足の大きさが10数センチにしかならないようにする風習だ。歴史の本で読んだので、纏足の女性がまだ存命していることにとても驚いた。

お寺への細い階段はとても混雑していたのだけれど、そのお婆さんは、足の甲の長さが普通の人の半分くらいしかないのに、凄い速さで群衆をかき分けて駆け上っていったのを見てびっくりした。

現代では纏足などという不自然な風習は廃れているが、よく考えるとハイヒールなんていうのも凄く不自然なものだ。自らの美意識で履いている人はいいけれど、私はもう足の裏をしっかり地べたにつけて自然に歩きたいわ。この間こけて骨折したばかりだしね。

神戸の夜は美しい。