鬼は来たのか、去ったのか

病気の話しばかりになってしまうが、年のせいというよりは、もともと体が弱いのであった。職場でインフルエンザが流行していたので、私も流行に乗り、頭痛、高熱で確実にインフルエンザだろうと思ったが、かかりつけ医はすでに患者でパンクしていて受診できなかった。

かかりつけ医の近くの開業医に行ったが「インフルエンザではありません、コロナはうちでは検査できません」と言われた。かかりつけ医は満員なのに、ここはガラ空きだった。そっけない先生の顔を見ると、人気のない理由はよくわかったが、今回は仕方ない。                                     コロナ検査キットを購入して自己検査してみたが、コロナも陰性だった。とりあえず貰った薬を飲んで熱は下がり、頭痛もほぼ治まった。が、しんどい、咳が続く。これがただの風邪だというのか。        

友人たちからは「コロナの後遺症がベースにあるから無理せんように」との忠告を受けたので、仕事はずいぶん休ませてもらった。7日以上経つような気がするが、まだ呼吸がおかしい。なるほど、弱るとコロナの後遺症が再び顔を出すのか。しつこいぜ。
節分にもらったお豆の袋がかわいいと思って写真を撮っていたが、すでにバレンタインデーになっていた。
とりあえずチョコレートを事務所の机にばらまき、ヘロヘロになって半日有給をもらって帰ってきた。いつになったらすっきり元気になれるのか。
だんだんすべてが重荷になってきた。もう少しだけ元気になったら物を捨てていこうと思い始めた。大きな家具も全部捨ててしまえ。でも物を捨てるのもお金が掛かる。結構掛かる。そしてひとりじゃできない。                            

昔の「暮らしの手帳」という雑誌で、家具を持たずに段ボールの引き出しだけで暮らしている女性の話しがあった。段ボールの引き出しと言っても、カラフルでしっかりした専用のものだが、今みたいにプラスチックの引き出しがなかったので、机も段ボールの引き出しに板を渡しただけで、引っ越し屋さんに「こんなに楽な引っ越しは初めてだ」と言われたという。この方は病気をして重いものを持てなくなったので、自分でいろいろ考えて段ボールの引き出しに落ちついたのだと。
思えば、20代で1Kのひとり暮らしに始まり、引っ越しを重ねて部屋が広くなるにつれ荷物も拡張していった。でもこれからは縮小していって、体も心も羽のように身軽になれればいいなと思うのであった。

こんな鬼なら居てもええか。